2023.12.18
「ベトナム人女性と結婚するが、姓は日本と同じルールで変更するのか知りたい。」
「ベトナムで暮らすことになったため、相手の姓に揃えるべきか知りたい。」と悩んでいませんか。
日本では、女性の苗字を男性の苗字に変えるのが一般的ですよね。ベトナムでは、夫婦別姓が基本です。この記事では、ケース別に姓をどう変更すべきか解説します。
ベトナム人の名前の構成
日本の名前は姓と名ですが、ベトナム人の名前の構成は姓・ミドルネーム・名です。3語からなることが多いです。ファン・ヴァン・ズンという名前のベトナム人であれば、ファンが姓、ヴァンがミドルネーム、ズンが名前です。
名前を呼ぶ時は最後のズンで呼びます。
ベトナムは夫婦別姓が基本
ベトナムでは、結婚しても夫婦別姓が基本です。日本は夫または妻の姓のどちらかに変更することが法律で定められていますが、ベトナムは姓に対して法律で定められていません。ベトナム人は結婚しても姓を変える文化がないため、結婚しても名前が変わる人はいないでしょう。
ベトナム人と結婚した場合、夫婦別姓
日本人同士の結婚には姓を揃える法律がありますが、国際結婚の場合の法律はありません。そのため、日本人とベトナム人が国際結婚した場合、夫婦別姓になります。結婚後もそれぞれ今と同じ姓を使い続けると認識しておきましょう。夫婦別姓であれば、パスポートやその他登録情報を変更する必要がないため、手続きが楽です。
ベトナム人が日本の姓に揃えにくい理由
ベトナム人が日本の姓に揃えにくい理由は、ベトナムで日本語が書けないからです。ベトナムはベトナム語やアルファベットで名前を書く機会が多く、日本語に対応していない場所ばかりです。
日本の姓に変えたことが原因で、銀行・マンション・土地など名前を書く大きな手続きができなくなってしまいます。そのため、ベトナムで生活をするのであれば、日本の姓に変えると不便です。
日本の姓に変えるなら、日本での生活を基本にする人でなければ厳しいでしょう。
戸籍は変わらない
ベトナム人が日本人と結婚しても、日本国籍にはなりません。帰化の申請が必要だからです。帰化申請とは日本に住んでいる外国人が日本の国籍を手に入れるための申請です。
帰化申請をすれば、ビザの更新手続きは不要になります。このように、日本人と結婚しただけでは戸籍は変わりません。
国際結婚で姓を変えられる
ベトナム人と日本人が結婚した場合、夫婦別姓が基本です。
しかし、希望すれば女性側が男性側の苗字に変えられます。国際結婚は法律による縛りがないため、姓を変えても変えなくてもOKです。
国際結婚で同姓を名乗る方法
国際結婚で同姓を名乗る方法はあります。
ここでは、日本人の姓を名乗る場合とベトナム人の姓を名乗る場合に分けて解説します。
日本人の姓を名乗る手続き
ベトナム人が日本人の姓を名乗りたい場合は、ベトナム人の本名を変えずに日本での通り名を申請します。住民票に通り名を書いて、市役所や区役所に提出します。
ベトナム人は結婚しても姓を変えないため、本名を変えずに日本での別名がつくイメージです。例えば、グエン ティ ハオさんが通り名を山田 ティ ハオさんにして、2つの名前を使えるようにできます。
しかし、パスポートや在留カードはベトナム国籍なので、ベトナム名でしか使えません。
ベトナム人の姓を名乗る手続き
日本人がベトナム人の姓を名乗る場合の手続きは2つあります。
1つ目は、「外国人との婚姻による氏の変更届」を提出する方法。婚姻後6ヶ月以内なら、変更届を提出するだけで手続きできます。
2つ目は、家庭裁判所に許可をもらって市役所に届出を出す方法。婚姻後6ヶ月をすぎた場合は、こちらの手続きになります。6ヶ月以内なら手続きが簡単なので、同姓にしたい方は早めに申請しましょう。
通り名が使える場面
通り名が使える場面と使えない場面があります。具体的には以下の通りです。
〈使える場面〉
住民票
健康保険証
マイナンバーカード
運転免許証
〈使えない場面〉
パスポート
在留カード
このように、通り名を使える場面と使えない場面があるため、間違いに気をつけましょう。
子供の名前の決まり方
国際結婚の場合、子供の名前はどうなるのでしょうか。ケース別に解説します。
ベトナム人同士なら男性の姓
ベトナム人同士が結婚して、子供が生まれた場合は男性側の姓が子供に譲られます。例えばグエン(男性)とブイ(女性)が結婚した場合、子供の苗字はグエンになるのです。夫婦別姓なため、奥さんの姓が夫や子供と同じになることはありません。
日本人とベトナム人が結婚して子供が生まれた場合
日本人とベトナム人が結婚して子供が産まれた場合、子供の名前は日本名とベトナム名の両方をつける必要があります。子供は18歳まで自分で国籍を選ぶ権利があるからです。
日本とベトナムの両方のパスポートを持ち、名前も2つあります。同一人物にも関わらず「山田花子」「グエン ティ ハオ」の2つの名前を名乗れるのです。
結婚後の姓は自由に選択できる
国際結婚の場合、姓は自由に選択できます。法律で定められていないからです。基本は夫婦別姓ですが、揃えたいのであれば申請をして姓を変更できます。
結婚後6ヶ月を過ぎると手続きが複雑になってしまうため、早めに手続きしましょう。